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辰巳芳子の「いのちを育む食卓」第二段①強き稽古、物数を尽くせよシリーズ灘浦の定置網と春の立山連峰 人間どうして、親指の使える人と使えぬ人とに分かれるのでしよう。 盛り付け箸....
辰巳芳子の「いのちを育む食卓」第二段①強き稽古、物数を尽くせよシリーズ灘浦の定置網と春の立山連峰 人間どうして、親指の使える人と使えぬ人とに分かれるのでしよう。 盛り付け箸を、注意をせずとも胸のすくほど垂直に使える人。一方、どれほど、〝このように?と示しても、斜めがかった使い方しかできぬ人との違い。 ふきん一つ、まな板の下にあてがう、まな板をふく、包丁をぬぐう、このしぼり加減を、自然に変えられる人、変えられない人。何故なぜがつもりつもって、世阿弥の「風姿花伝」に求めてみました。 強き稽古、物数を尽くせよ。 工夫を極めよ。これらのことども、心底に当てよ。花を知らんと思わば種を知るべし。 花は心、種は態(わざ)なるべし。 世阿弥の「花」についての言葉は「芸」に対する思想を述べたものであります。能と料理。次元を異にするように見えますが、なにがしかをもって立たねばならぬ状況を、伝書のすすめは、「美」の中に受容し、導いてくれるのです。 Winter 2012 Fのさかな4