Fのさかな21号 甘蝦(あまえび) 2011 秋 page 10/40
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概要:
能登半島のお魚の情報誌
エビの仲間は大きくクルマエビやサクラエビのように「根鰓亜目(こんさいあもく)」という卵を生むと海中に放出してしまうものと、ホッコクアカエビやイセエビなどの「抱卵亜目(ほうらんあもく)」という生んだ卵を腹肢(ふくし)という足で抱えて保護するものとに分けられます。 ホッコクアカエビはエビの仲間でも長生きな方で、寿命は13年ほど。3月から5月頃にかけて800?4,000粒ほどを産卵します。 お店で「甘エビ」を買った時に、お腹に灰緑色をした卵がついているのを目にしたこともあるでしょう。 太平洋側に棲んでいるものは毎年産卵しますが、日本海側に棲むものは1年おきにしか産卵しないことが知られています。 この卵が孵化するまでには10?12ヶ月ほどかかるため、親エビは約一年の間、外敵から卵を抱えて守り続けます。 やがてこの卵は、産卵された翌年の1?3月に孵化して幼生になり、海中に旅立っていきます。 孵化したての幼生は他の甲殻類と同じくゾエア幼生と呼ばれ、体長が5㎜ほどしかありません。 この幼生たちは、しばらくプランクトンとして海中を漂う生活を過ごした後、海底での生活に移っていきます。 2?3歳ほどで雄として成熟しますが、5?6歳になって交尾を終えると、性転換して雌になってしまうので、店頭に並ぶような大きさのものはすべて雌です。。 この奇妙な現象はモロトゲアカエビ属やホッコクアカエビが属するタラバエビ属のエビに特有なもので、他に性転換するエビの仲間は知られていません。 生物全体で見ても性転換するものはごくわずかですし、雄から雌へと形を変えるにはエネルギーが必要なため、あまり効率がよいとは思えません。 それでもホッコクアカエビにとっては、性転換する方が効率よく多くの子孫を残すことができたのでしょう。 進化とは不思議なものですね。 《写真提供/独立行政法人水産総合研究センター》?甘エビの成長雄から雌へと 性別が変わる 世界の国名には、様々な由来があります。 例えば、アメリカ合衆国は探検家アメリゴ・ヴェスプッチ、イタリア共和国はギリシャ語で牛を表わす「イタロス」がその由来とされています。 さて、それでは「エビ」がその名前の由来となっている国をご存知でしょうか? 答えはカメルーン共和国です。 2002年サッカーワールドカップでの、カメルーン代表チームと大分県中津江村との交流は心温まるものでした。 15世紀にポルトガルの探検家が彼の地を訪れたとき、そこを流れる川の河口にエビがたくさんいたため、ポルトガル語で「リオ・ドス・カメーロス(エビの川)」と名付けたことが「カメルーン」という国名の由来と言われています。サッカーが強い 「エビ」の国幼生期の「甘エビ」腹肢に抱えられた「甘エビ」の卵 Autumn 2011 Fのさかな10