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Fのさかな19号 鰰(はたはた) 2011年 春 page 22/40

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概要:
能登半島のおさかなの情報誌・フリーペーパー

佐野安正・さの やすまさ/1955年静岡県富士宮市生まれ。1984年東京ガラス工芸研究所研究科第一期終了。1984年有限会社能登島ガラス工房開房と同時に入社。現在同工房代表取締役をつとめる傍ら後進の指導にあたる。県内や東京、静岡、埼玉などで展覧会、個展を多数開催。2004年第19回石川現代工芸展 奨励賞受賞。【有限会社 能登島ガラス工房】 〒926-0211 石川県七尾市能登島向田町122-13 Tel.0767-84-1180 Fax.0767-84-1380 URL http://www.notojimaglass.com/色付の耐熱ガラスを見た事  がありますか。私たちが日常目にする耐熱ガラスのティーポットやカップなどは透明がほとんど。鍋なら分厚い透明ガラス。着色できないといわれる耐熱ガラスの常識を覆した製品が能登島ガラス工房にありました。創作活動に専念でき食べ物がおいしい 能登島ガラス工房は、能登島向田町の海を見下ろす場所にあった。 佐野さんが工房に来た27年前は不便だったそうだ。「今は通行料はないけど、当時は島の外へ本を買いに行くのに本代より大橋の通行料の方が高くてねー。でも、ここは静かで余計なものがないからガラス創りに専念できるし、酒、水、魚など食べ物がおいしい。」 佐野さんは、10年前から能登島で土地を探している。「地元の人は代々の土地を人に譲ることは、ご先祖さまに申し訳ないといった意識があるためか、なかなか理想的な土地に巡り会えない」という。定住するにはまだ少し時間がかかりそう。世界初の新しいガラス 耐熱ガラスは通常のガラスと違い、透明部分と着色した部分では収縮率が違うため割れてしまう。そのため着色が不可能とされてきた。 ところが工房が創出した〝耐熱耀変ガラス?は割れることなく着色が施され模様も入る。試行錯誤を重ね開発された世界初の画期的な技術製品だ。 「耀変というのは、耐熱ガラスの器を創る過程で特別に調合した色ガラスと、高熱や急冷を加えたり通常と違う作業を経て人工発色させたもの。現在耀変ガラスに使う色ガラスは10色ほどあります。」 工房にある通常ガラスの約200色と比べても耀変に使える色ガラスの調合が難しいことがうかがえる。その新製品は直火でなければおよその熱には強く、熱いコーヒーや紅茶はもちろんのこと、お酒の燗や電子レンジの使用も可能にする。 「一つひとつ手作業なので似ているようで同じものはできない。どれも一点ものです。急熱、急冷加工のため色の出方に予想外の変化があり、その変化が面白く楽しみでもあります。」 渋く落ち着いた色合いが多い。新デザインは何度も創って確かめる 簡単な器は、ガラスが柔らかい10?15分の間に作り上げる。よどみなくポン手竿、吹き竿を操る。形ができ上がると約500℃から徐冷炉で1日かけて冷ます。急激に冷すと割れるからだ。分厚い耐熱耀変ガラスや装飾など細工を施すものは数日間かかることも。 「新しいものを創り出す時は、紙に描いたデザインだけじゃダメ。形があるものだから何度も実物を創って手に持ってみたり、目で見て重い軽いなど確認します。使い手が喜ぶような、また贈って喜ばれるような作品創りを心がけています。」 現在工房で学ぶ受講生は北海道や関東、関西から6名。毎日、後進の指導と共に多忙な日々を送る。この先、佐野さんが生み出す新発色の耐熱耀変ガラスには目が離せない。予想外の発色が面白いんだよね―佐野安正さん火