Fのさかな17号 2010 秋 楚蟹(ズワイガニ) page 12/40
このページは fsakana17 の電子ブックに掲載されている12ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。
概要:
能登半島からエフのさかなをお届けいたします。
?ズワイガニの栄養意外に少ないコレステロール ズワイガニの身肉には脂質や糖類がほぼ含まれておらず、高タンパクで低カロリーな食材です。他の甲殻類と同じようにグルタミン酸やグリシンなどのアミノ酸が多いため、旨味を強く感じます。 亜鉛や銅などのミネラルも多く含んでいるため、前立腺肥大や貧血の予防に効果があると言われています。 さらに肝臓の働きを促すタウリンというアミノ酸を牛・豚の約11倍も含んでいますが、タウリンは茹で汁に溶け出してしまうため、活ガニを蒸したり焼いたりするか、茹で汁を出汁として使わないと上手く摂取できません。 カニ味噌には脂肪やグリコーゲンを豊富に含んでおり、イノシン酸により独特の旨味があります。しかし、ズワイガニの内臓に含まれる分解酵素は大変強力で、死ぬと自分の内臓を溶かしてしまいます。そのため美味しいカニ味噌を味わうには、活ガニが新鮮なうちに茹でるなど加熱処理する必要があります。 ズワイガニをはじめとしたカニ類はコレステロールが多いというイメージがありますが、実はイワシやサバが100gあたり65㎎ 程度のコレステロールを含んでいるのに対し、ズワイガニの身肉は100gあたり44㎎程度と比較的少ないのです。ただし、カニ味噌や雌の内子・外子などの卵はコレステロールが多くなっています。 また、ズワイガニの身肉やカニ味噌には決して少なくない量のプリン体が含まれており、食べ過ぎると痛風を引き起こす可能性が高くなるとも言われています。 美味しいからと言って食べ過ぎにはくれぐれもご注意を。?目利き身入りは持った重みで判断 ズワイガニの甲羅についている黒い粒は、カニビルという環形動物の卵です。輸入物と区別する際に、「カニビルの卵が付いていれば地物(日本産)」と言われることもあるようですが、カニビルの生息域については研究が進んでいないため、区別する方法として確証があるわけではないようです。 また、ズワイガニは他のカニと同じく脱皮することによって成長します。その脱皮の際に甲羅に付いているカニビルの卵も落ちてしまうため、カニビルの卵が多く付いている程、脱皮から時間が経っていてズワイガニの身入りが良いという話があります。 しかし、カニビルなどの環形動物は短いライフサイクルで産卵・成長を繰り返すため、脱皮したてのズワイガニにもカニビルがたくさん産卵する可能性があったり、茹でガニで売られる場合には、茹でる前にカニを洗ったときにカニビルの卵が落ちることもあるので、ズワイガニの身入りの目安になるかは難しいところです。《参考および引用文献》「現代おさかな辞典」山本保彦:編纂/㈱NTS、「食卓で学ぶ甲殻類のからだのつくり」富川光・鳥越兼治/広島大学大学院教育学研究科紀要第二部第56号2007-17-22、「北海道におけるズワイガニ類の生態と漁業について」三橋正基:育てる漁業No.382 /?北海道栽培漁業振興公社、「科学の目でみた越前がに」今攸/氷川書房、『「越前がに」五十五の秘密』今攸、「ズワイガニの生態と漁業」/京都府農林水産技術センター海洋センターhttp://www.pref.kyoto.jp/kaiyo2/zuwai/、五訂増補日本食品標準成分表/文部科学省、『「健康食品」の安全性・有効性情報』/国立健康・栄養研究所http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail615lite.html、「芥川龍之介句集 我鬼全句」芥川龍之介/永田書房 Autumn 2010 Fのさかな12