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エフのさかな15号 2010年 春 【コノシロ】 page 10/40

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概要:
刻々旬々 祭りご馳走の名脇役コノシロ

?コノシロの名前の由来伝説身代わり?飯代わり? コノシロの名前の由来は、いくつかの説があります。内容は異なっても子の身代わりという説が多く知られています。◇娘の代(このしろ)伝説 昔、下野国(栃木県)の長者の家に美しい一人娘がいました。娘は常陸国(茨城県)の国司のもとへ嫁ぐことになっていました。同じ頃、零落した有馬皇子が落ちのび奉公人となったところが長者の家。やがて二人は相思相愛の仲に。困った長者は「娘は病で急死した」と偽り、使者の前で棺を焼いてみせました。この棺の中にはツナシ(コノシロ)が詰め込まれていました。昔からツナシを焼くと死人を焼いた臭いがすると言われてきたからです。人々は娘の死を信じ、国司との婚約は解消。難を逃れた娘は愛しい人と他国へ逃れ幸せに暮らしたということです。このように娘の身代わりになったツナシを娘(コ)の代(シロ)と呼ぶようになったということです。◇児の代(このしろ)伝説 安永4(1775)年に江戸で刊行された諸国方言の類集『物類称呼』には、生まれた子が次々に死んでしまう家では、胎児を包んでいた膜と胎盤とコノシロを一緒に土中に埋めると、子どもは生まれ変わって丈夫に育つが、生まれた子どもには一生コノシロを食べさせないとあり、これより児(コ)の代(シロ)と伝えられています。◇飯代魚(このしろ)伝説 大漁に捕れ雑魚扱いだったコノシロを、食べるものが少なく困った庶民が米や野菜などの代用に食べたところから、飯(コオ、コ)の代(シロ)と呼んだそうです。?コノシロの産卵と回遊生息域は意外と身近 コノシロの産卵期は4?6月。河口近くの底層域で日没後1?2時間の間に産卵します。産卵期を迎えた群れは一斉に放卵、放精の産卵行動をとると言われています。 卵は球形、約1.5㎜の分離浮性卵。孵化直後は3?4㎜ 。3㎝ 前後で成魚と同じ鰭条数やキラキラした銀白色の体色になります。 生後1年で10㎝ 前後、2年で約12㎝ 以上、3年で17㎝ 以上に成長。成長の早いものは1年後に成熟し産卵行動に参加します。1年魚なら約4万粒、3年魚なら約17万粒産卵。 餌になるプランクトンが多い内湾や河口付近に群れで棲む定住型。成魚になっても大きな回遊はしません。冬は湾口域のやや深部で越冬。 河口付近で泳ぐ魚の群れを見かけたら観察してみてください。体側に黒の点線模様があり、背びれの後方に糸状の長い鰭が確認できたら、それはコノシロかもしれません。豆知識?漢字の説魚偏に祭と書いて「?( コノシロ)」。この漢字は祭のメニューに「鮓※( スシ)」の材料としてよく使われたことから。他にも「鮗」「?」「?」とも書く。※ 熟れずしをさす。?別名「切腹魚」「腹切魚」切腹の作法として、最後に与えられる魚がコノシロの塩焼きだったそうです。これより別名を「切腹魚」といわれます。また鮮度が落ちると腹が切れやすいことから「腹切魚」ともいわれます。ひたちのくにれいらくしもつけのくに Spring 2010 Fのさかな10